コーヒーの等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準・決め方・ランク付けまとめ・一覧 〜栽培地の標高・高度、豆の大きさ・スクリーン、欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)、カップ(味)など産地ごとの格付けとSCAA方式生豆鑑定(グリーングレーディング)〜
以前の記事で紅茶の等級・グレード(Grades of Tea)の意味・読み方について紹介しました。
参考記事:紅茶の等級・グレード(Grades of Tea)の意味・読み方まとめ・一覧 〜茶葉の部位、特徴の形容、加工方法(カット加工)による分類と代表例〜
紅茶の等級・グレード(Grades of Tea)は各産地共通して、茶葉の部位、特徴の形容、加工方法(カット加工)で格付け・ランク付けを行うのに対して、コーヒーは栽培地の標高・高度、豆の大きさ・スクリーン、欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)、カップ(味)などを基準にして各産地ごとに格付け・ランク付け方法が異なるのが特徴です。
また、紅茶同様に国際基準も無いので、最近ではアメリカスペシャリティコーヒー協会(SCAA)による評価「SCAA方式生豆鑑定(グリーングレーディング)」も行われるようになってきました。
今回はそんな産地ごとに存在するコーヒーの等級・グレード(Grades of Coffee)の基準・決め方・ランク付けについて紹介します。
コーヒーの等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準・決め方・ランク付けまとめ・一覧 〜栽培地の標高・高度、豆の大きさ・スクリーン、欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)、カップ(味)など産地ごとの格付けとSCAA方式生豆鑑定(グリーングレーディング)〜
上記でも触れましたが、コーヒーの等級・グレード(Grades of Coffee)は産地ごとの基準で評価されたコーヒー豆の品質を表しています。
また、その主な評価基準は下記のような指標が用いられます。
- 標高・高度
- 豆の大きさ
- スクリーン
- 欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)
- カップ(味)
ここでは、コーヒー豆の有名な産地であるブラジル、コロンビア、グァテマラ、インドネシア、メキシコ、ホンジュラス、エルサルバドル、タンザニア、コスタリカ、ケニア、イエメン、ジャマイカ、エチオピア、キューバ、ハワイのコーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)について、それぞれどのような評価基準で格付け・ランク付けが行われているかを説明します。
ブラジル産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
ブラジル産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)
- 豆の大きさ・スクリーン
- カップ(味)
タイプ(TYPE)と呼ばれる欠点数の指標によってNo.2~No.8で等級分けがされている。
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標によってSC20~SC13で等級分けされている。
カップと呼ばれる味の指標によってストリクトリーソフト(Stricity Soft)、ソフト(Soft)、ハード(Hard)、リオイ(Rioy)、リオ(Rio)で等級分けされている。
コロンビア産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
コロンビア産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 豆の大きさ・スクリーン
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標であるSC20~SC13を用いて下記のように等級分けがされている。
スプレモ(Supremo):高品質でSC19~SC18中心にSC17が80%以上含まれている
エキソルソ(Excelso):通常品質でSC16~SC14中心に含まれている。
グレードSC14以上のものが輸出されている。
グァテマラ産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
グァテマラ産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 標高・高度
標高・高度の指標で下記のように等級分けがされている。
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
ストリクトリー ハード ビーン(SHB: Strictry Hard Bean) | 約1524m~約1676.4m |
ファンシー ハード ビーン(FHB: Fancy Hard Bean) | 約1371.6m~約1524m |
ハード ビーン(HB: Hard Bean) | 約1219.2m~約1371.6m |
セミ ハード ビーン(SH: Semi Hard Bean) | 約1066.8m~約1219.2m |
エクストラ プライム ウォッシュド(EPW: Extra Prime Washed) | 約914.4m~約1066.8m |
プライム ウォッシュド(PW: Prime Washed) | 約762m~約914.4m |
エクストラ グッド ウォッシュド(EGW: Extra Good Washed) | 約609.6m~約762m |
グッド ウォッシュド(GW: Good Washed) |
インドネシア産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
インドネシア産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)
グレード(G)と呼ばれる欠点数の指標によって1~5で等級分けがされている。
メキシコ産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
メキシコ産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 標高・高度
標高・高度の指標で下記のように等級分けがされている。
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
ストリクトリー ハイ グロウン(SHG: Strictly High Grown) エストリクタメンテ アルトゥーラ(Estrictamente Altura) |
約1700m~ |
ハイ グロウン(HG: High Grown) アルトゥーラ(Altura) |
約1000m~約1700m |
プライム ウォッシュド(PW: Prime Washed) プリマラバド(Prima Lavado) |
約700m~約1000m |
グッド ウォッシュド(GW: Good Washed) ブエンラバド(Bueno Lavado) |
約700m~約1000m |
ホンジュラス産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
ホンジュラス産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 標高・高度
標高・高度の指標で下記のように等級分けがされている。
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
ストリクトリー ハイ グロウン(SHG: Striethy High Grown) | 約1500m~ |
ハイ グロウン(HG: High Grown) | 約1000m~約1500m |
セントラル スタンダード(CS: Central Standard | 約700m~約1000m |
エルサルバドル産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
エルサルバドル産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 標高・高度
標高・高度の指標で下記のように等級分けがされている。
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
ストリクトリー ハイ グロウン(SHG: Striethy High Grown) | 約1500m~ |
ハイ グロウン(HG: High Grown) | 約1000m~約1500m |
セントラル スタンダード(CS: Central Standard | 約700m~約1000m |
タンザニア産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
タンザニア産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 豆の大きさ・スクリーン
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標で下記のように等級分けがされている。
AA、A、AB、B、C、E
コスタリカ産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
コスタリカ産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 標高・高度
標高・高度の指標で下記のように等級分けがされている。
中央高地
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
ストリクトリー ハード ビーン(SHB: Strictry Hard Bean) | 約1200m~約1700m |
グッド ハード ビーン(GHB: Good Hard Bean) | 約1000m~約1200m |
ハード ビーン(HB: Hard Bean) | 約800m~約1200m |
ミディアム ハード ビーン(MHB: Medium Hard Bean) | 約400m~約1200m |
大西洋岸
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
ハイ グロウン アトランティック(HGA: High Grown Atlantic) | 約900m~約1200m |
ミディアム グロウン アトランティック(MGA: Medium Grown Atlantic) | 約600m~約900m |
ロウ グロウン アトランティック(LGA: Low Grown Atlantic) | 約200m~約600m |
太平洋岸
等級・グレード(Grades of Coffee)名 | 標高・高度 |
---|---|
パシフィック(P: Pacific) | 約300m~約1000m |
ケニア産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
ケニア産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 豆の大きさ
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標で下記のように等級分けがされている。
PB、AA、AB、C、E、TT、T
イエメン産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
イエメン産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は明確なものがありません。
ジャマイカ産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
ジャマイカ産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 標高・高度
- 豆の大きさ
標高・高度の指標で下記のように等級分けがされている。
ブルーマウンテン(Blue Mountain)、ハイマウンテン(High Mountain)、プライムウォッシュド(Prime Washed)
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標で下記のように等級分けがされている。
No.1(SC18以上)、No.2(SC17以上)、No.3(SC16以上)
エチオピア産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
エチオピア産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 豆の大きさ
- 欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標で下記のように等級分けがされている。
ボールドグレイン(最高級品)、ハラーロングベリー(高級品)
グレード(G)と呼ばれる欠点数の指標によって1~8で等級分けがされている。
グレード5以上のものが輸出されている。
キューバ産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
キューバ産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 豆の大きさ
- 欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標で下記のように等級分けがされている。
クリスタルマウンテン(SC19)、ETL(SC18)、TL(SC17)、AL(SC16)でETLの欠点数は~12
欠点数の指標によって下記のように等級分けがされている。
クリスタルマウンテン(~4)、ETL(~12)、TL(~19)、AL(~22)
ハワイ産コーヒー豆の等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準
ハワイ産コーヒー豆は等級・グレード(Grades of Coffee)の評価基準は下記のものが用いられます。
- 豆の大きさ
- 欠点数(混入物・欠陥豆の混入度)
スクリーンと呼ばれる網目の大きさの指標で下記のように等級分けがされている。
Extra Fancy(SC19)、Fancy(SC18)、No.1(SC16)
欠点数の指標によって下記のように等級分けがされている。
Extra Fancy(10個以下/Pound)、Fancy(16個以下/Pound)、No.1(20個以下/Pound)